ディズニー映画「ウィッシュ」を酷評する

ディズニー100周年映画の「ウィッシュ」を観てきた

正直に感想を書くとイマイチだった
もちろん、作画はよかったし
ミュージカルシーンもよかった

しかし、肝心のストーリーが
そこまで王様を打倒してよいのか?
という疑問が最後まで解消されなかった

あらすじとしては

魔法使いのマグニフィコ王が統治をするロサス王国は
18歳以上の人は願いを捧げる
その捧げた願いを定期的に王様が叶えてくれる

主人公のアーシャは城で仕事をするために
面接を受けることになるが
マグニフィコ王の「国益になる願いしかかなえない」ということに嘆き悲んだ

その意志が通じたのか
願い星「スター」が空から降りてきた
スターは願いの力をバラまいて
動物たちがしゃべれるようになったりした

スターの出現によって異変を感じたマグニフィコ王は
精神的にナーバスになったことによって
禁忌の魔法に手を出してしまう

禁忌の魔法に手を出してしたマグニフィコ王を
スターと「願い」の力によって打倒する

という感じになる。

まず、ダメなところはマグニフィコ王以外のキャラが薄い

序盤でマグニフィコ王は
過去に盗賊に家族を殺された悲しい過去をもっていることが語られる
そして、魔法を独学で学び、ロサスを建国し
そこに難民のような人たちがあつまり、ロサス王国は繁栄していったと語られる。

ヴィランなのにマグニフィコ王のほうが感情移入する人がいてもおかしくない
というよりもマグニフィコ王以外のキャラは
あまりにもバックボーンがなさすぎる。

アーシャは父親が亡くなったとか
おじいちゃんが100歳の誕生日を迎えたとかがあるが
イマイチ深みがない

アーシャの親友が足が不自由だが
それを「願い」で治してもらうのか
セリフひとつでも入れればよかったのにと思うが

18歳以上の人の願い献上させて、選別するのは
・願いを捧げさせることによって悪意がある人も国民として迎え入れることができる
・願いを叶えられた人、叶えられない人の分断を予防できる
というよくできたシステムのように考えた

ただ、問題はマグニフィコ王の選別が適切かどうかだったが
それにしても王様を打倒するのはやりすぎでは?

あと、ロサス民の手の平返しがひどい
ロサス民はマグニフィコ王のクッキーをつくるくらい支持していた
それなのに手の平返しがひどく感じた
そもそも、マグニフィコ王は別に
国民を騙していたとか搾取していたとかいっさいなかった
王国と民のために尽くしていたというは事実だった
そして、王様を放置していて大変なことが起こるという理由もなかった。
別に王様を打倒する必要性があまり感じられない

禁忌の魔法に手を出して
解放する方法がないので、王様を倒したように思えない。
それはスターの願いでは、どうにもならなかったのか?

近年はネット上では
「ディズニーはポリコレ思想に支配されている」
というホントかウソかわからない言説が飛び交っている

近年の映画では
「実写リトルマーメイド」は黒人をアリエル役にしたり
「ストレンジワールド」では、孫が同性愛者だったり、犬の足が一本なかったりしたので
その噂の真実味がでている

しかし、今回の「ウィッシュ」ではポリコレ云々よりも上記2作品よりも
ストーリーがよくないと思う
「ストレンジワールド」では価値観は違っても
家族は和解できるという終わり方になったのに・・・

個人的は本作品はコロナ禍での
反ワクチン反マスク運動のメタファーのように感じた。
日本でも反ワクチン団体が病院に突撃したことが事件になったが
それを思い出した。
「愚かで非合理なことでも自由にやらせろ」という意志を尊重することが
本作品のテーマだと自分は思った

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