暇アノンとはなんだろうか?

世界2024年2月号で
暇アノンのルポを読んだ

そもそも、暇アノンとは何か?
暇アノンとは
インフルエンサーである「暇空茜」という信奉者であり
暇空茜がNPO法人のcolaboに対して
「公金不正をしている」ということをネットで語り
それが他のインフルエンサーとかが拡散させたことによって
ネットでは「colaboが不正をしている」という情報が広まった

これが2022年の夏以降の話だ

そして、このルポでは
結果として
colaboはまったく不正をしていない
つまり、暇空茜というインフルエンサーが広げたのは
完全なデマである

しかし、そのデマを信じて
暇空茜に協力をした人たちがそれなりにいる
今は「暇アノンとしてやった行為は間違っていた」
と反省をしているが
ルポで書かれた彼らは
暇アノンとしてはレギュラーメンバーである

驚いたのが
彼らはネトウヨ(本人は保守だと思っているかもしれない)
少なくともそれに近い考えをしているらしい

古谷経衡氏の『シニア右翼』を読むと
「ネトウヨは50代以上のシニアがほとんど」
と書いているが
実は少し違うのではないかと考えている

個人的には完全なネトウヨになる人は
50代以上が多いかもしれないが
ネトウヨになる前の段階
つまり、ネトウヨ予備軍の人は
30、40代にも多いのではないかと思った

彼らはネトウヨとまではいかないが
「反リベラル」という思想になっているのではないか?

『シニア右翼』に書いていることは
ネットが危険、不便だったと経験で知っている
30、40代くらいの人はあまりネットのトンデモを信じて
ネトウヨにならないと書いている。

しかし、ネトウヨにならないかもしれないが
例えば、現在は自民党の裏金問題や統一教会問題が明らかになったが
それに怒りを感じて
多くの人が「立憲民主党」「日本共産党」などの
ベーシックなリベラル政党に本当に投票するのか?
と疑問に思ってしまう

なぜなら、彼らはネットを使っていて
日常的にネットの情報を浴びている
それには正しいものもあるが間違った情報ももちろんある

特にSNS、まとめサイト、ネット動画で
偏った情報を浴びていると
どうしても偏ってしまう。

そもそも、SNSなどは
報道ではないから、X(旧Twitter)などでバズっている文章は
事実かどうかはわからない

現在だと指名手配犯が
偽名をつかっていたことから
「マイナンバーがあればこんなことにはならなかった」
というポストがバズっているが
これについてもどこまで信憑性があるかわからない

そして、ネットの情報は
反左翼的な要素がつよくなる
大手メディアは朝日新聞などのリベラルなメディアである
そこで、まとめサイトなどが
リベラルなメディアと同じことを書いても
話題にならない
どうしても、独自性が必要なため
リベラルとは違う路線が必要になる
政治的には反リベラル的な姿勢になってしまう
そして、感情に訴えることがアクセス数を稼ぐために必要になる

『ネトウヨ化する日本』(村上裕一 著)では
歪んだネットの情報を真実と思い込む理由に
情報に臨場感を感じているとしている
本書では在日特権を理由に活動している
「在特会」がその例になっていた

話を戻すと
右派的な言説を
ネット動画、SNS、まとめサイトから大量に浴びると
いくら「ネットはデマが多い」と思っていても
なんらかのフックがあれば
政治的なデマを信じてしまうのではないかと考えた

そして、2ちゃんねるは
オタク文化と共に盛り上がり
小林よしのりの戦争論、世界史コンテンツなどが出てきて
まとめサイトなどを通して反メディア、反リベラル的な政治文化と結びついて
オタクとネトウヨとの密接な関係を作り出していると書いている

そして、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)文化→オタク文化→ネット右翼
という構図ができた

そのネトウヨのフックの一つに
「反リベラル」があり、colaboという女性支援団体は
「フェミニズム」というリベラルな価値観に基づいて運営されているといえる
その「リベラル」を攻撃する理由ができたことでデマで炎上することになった

さらにcolaboの仁藤氏がネットで特定のコンテンツに批判的な発言を今までしていたとして
ネット住民のフラストレーションが溜まっていて
colaboのデマはそれを発散するために
攻撃する口実になったのではないかと分析している。

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