アフターバブル(小幡績 著)
2020年9月発刊
本書の概要
・近代資本主義はバブル経済である
・新型コロナによりバブルが延命された
・アフターコロナバブルができ、それが崩壊すれば近代資本主義が終わるかも?
個人的には小幡績氏は
毎年「株式市場が暴落する」と言っている経済学者というイメージが強く
当然、その予言は毎年外れている。
しかし、経済的にはどういう考えの人なのかわからなかったので本書を読んでみた。
この本を読んでみてかなりユニークな経済観を持っているように思う
ただ、グラフとかはないので
本書にどこまで根拠があるのか不明
・アフターコロナでバブルになるということは的中
本書は新型コロナ真っ最中の2020年に書かれたので
新型コロナに対する記述は多い
日本の新型コロナ対策にしてはかなり批判が多い
そして、コロナから5年以上たった今から見ると
的中しているものがそれなりにあるように思う
本書ではコロナショックは
ただのバブルが崩壊しただけで
コロナはきっかけに過ぎないとしている。
しかし、新型コロナで全世界的に
金融緩和、財政出動を大規模にして
それがコロナの経済被害を大きく上回る対策をした。
それによってアフターコロナには
バブルが延命し、さらに大きくなるという可能性が高いとしている。
・原油も金もダイヤも価格はバブル?
コロナショックで原油先物価格がマイナスになったことについては
「資源価格自体がバブル」としている
「原油はエネルギーとして使うものだろ」と思ってしまったが
供給側(産油国など)が国の利益のために
供給量をコントロールして安くなりにくくしていることによって
原油の価格がある程度固定化されたが
その価格自体がバブルだという。
それによりショックにより
価格が暴落したり、逆に急騰したりすれば
バブルが破壊される状況になるという。
金(ゴールド)やダイヤにも同じようなことが言えるらしいが
現在では金価格が最高値であり、銀も急騰しているので
これらもバブルとしている
・日銀は金利とリスクプレミアムを目標にするべき?
本書では日銀の政策についても批判している
マイナス金利は解除
そして、日銀は金利とリスクプレミアムを目標にすべきとしている
リスクプレミアムについては
日銀が株式ETF売買をどのようにして決めるのかという基準らしい
本書では「日銀はインフレを起こすことができない」と書いているが
現実ではインフレが起きてしまった
このインフレが円安によるものかどうかわからないが
これからはインフレをどうとらえるかによって政策が左右されてしまう
インフレを抑えるためのベーシックな政策は利上げだが
いつどこまで金利を引き上げをする必要があるが
その適切な金利が世論にはわからないままである
さらに日銀が2026年2月現在
金利が0.75%になっているが
どのような基準で決まっているか世間ではわかっていない
ヘタに金利を上げ続けると株価暴落になるとか言われているが
それをどこまで考慮しているのかは不明であり
さらに日銀の独立性がどこまであるのかわからない
・日本のコロナ対策を批判している
本書は2020年ごろの内容なので
新型コロナ真っ最中である
そして、日本のコロナ対策を批判している。
要は日本人は
「安心(ゼロリスク)を求めて、安全を犠牲にする」
ということらしい。
しかし、現実にゼロリスクなんてものはない
安全(リスクを抑える)ことはできるがそれにも限界がある。
新型コロナも感染者、死者数を抑えることができるが
日本人は少数でも死者が出るのならパニックになった。
おそらく、新型コロナでは
メディア(特にテレビ)がコロナのことを取り上げて
それにより情緒を刺激されてパニックになって
県外に移動した人のバッシングなどコロナ差別が蔓延した。
本書では原発についても同じようなことを書いているが
近年では闇バイトやクマ被害なので
メディアが騒げば大騒ぎをするが
騒がなくなればゼロリスクという認識になるという
日本社会が露呈したように思う。
・まとめ 『アフターコロナバブルが弾けると近代資本主義が終わるのか?』
本書は新型コロナ後は
コロナ対策での大規模財政出動で
アフターコロナバブルが起き、その後バブルがはじけて
30年の中期バブルが終わる
そして、それが約200年続いた近代資本主義の終わりになる可能性があるが
実はそれはわからない
本書では近代資本主義の終わりの社会を
「不要不急」のものが減り
自給自足に近くなるとあるがどうなるかわからない
